2007年6月23日土曜日

湖畔にも都が──石山寺、膳所

2007.06.23
【滋賀県】

 石山寺(Map)


 先週同様、雨が降ってもめげないように、雨が似合う花を探しているうちに、花の便りに誘われて滋賀県大津市まで引き寄せられてしまいました。
 とは言え、京都から15分程度で行けるのですが。
 先週に続き夏至翌日の本日も、どピーカンのアッチッチで、陽に当たりすぎて帰りにはちとバテ気味(熱中症の手前?)でした。
 しかし、花の便りって解釈が難しいですね。
 先週の三室戸寺が良かったので、「見頃」の表記から自分勝手な理想の絵を想像していました。
 花しょうぶは、見頃の時季を伸ばすために意図的に少しずつ開花をずらしているように見受けられ、まだつぼみの株もあれば、今日開いたと思われる花もあるのですが、何とも中途半端な印象です。
 アジサイも植えられてからあまり歴史がないように見え、まだインパクトを与えられる存在にはなっていませんでした(数では計れないという教訓です)。
 どうもこの寺は、四季を通しての「花の寺」を目指しているようで、牡丹園などまだ日の浅い造園部分が目につきました。
 でも、もみじなどの若葉はまぶしく、紅葉する木々は多くあるので、そのすき間を埋める花が整備されれば季節を通した名所になると思われます。
 お寺は由緒あるようで(右上の写真など目にしたことあるのでは?)、紫式部が「源氏物語」を執筆したと伝わる部屋(本堂の一部)があったり、「月見亭」という展望舞台には明治以降の天皇が月見に訪れたとのこと(展望は開けてません。月が見えればいいわけですから)。
 西国巡礼13番札所とのことで、三室戸寺とは一応関係があるようです。
 東寺 真言宗の宗派とあります。東寺は京都で行ってみたいお寺の一つで、もうじき行けることを楽しみにしています。




 瀬田の唐橋(Map)


 都を守る上での要所であったことから「唐橋を制する者は天下を制す」と言われたそうです。
 看板には、大友皇子とか出てくるのでかなり昔のことのようですが、どうもその説明にピンと来なかったので調べてみました。その頃の都は、近江宮(おうみのみや)と言って7世紀後半の天智天皇がこの地に開いたのだそうです。うーん、聞いたことあるような、無いような……

 琵琶湖レガッタの会場が近いこともあり、この付近はボートやカヤックの練習場になっています。「がんばっていきまっしょい」(TV)に出てました。
 堤防を自転車でダッシュしてきたジャージ姿の若い女性が、急停車してビデオカメラを構えるのには驚きました。きっと、ボート部のマネージャーなのでしょう。そんな、ビデオを手にした若い女性が多いのも、場所柄という印象です。ちなみに、女子部は見かけませんでした……

 ここは琵琶湖の尻尾と勝手に呼んでいる南の端で、この瀬田川は京都で宇治川になります。
 琵琶湖の水はどこから流れ出ているのかズッと気になっていたのですが、ようやっとスッキリしました。
 ──次は、京都に流れている琵琶湖疏水はどこから引かれているのか? を探さねば……


 膳所城跡(Map)


 膳所と書いて「ぜぜ」と読みます。
 ワープロで変換してくれることに驚きましたが、これ読めます? 本当、こちらにはとても読めないような地名が数多くあります。歴史の長さというのか、宮中などごく狭い世界で使われていた言葉というのか、漢字の読み方のいい加減さというのか、とても覚えられない地名がたくさんあります。それを覚えておくと知識の幅が広がるかも? と、なるべく心がけるようにしていますが、なかなか……
 先ほどの近江宮の時代でしょうか、天皇の食事の調理や試食をつかさどった役所があったことに由来するそうです。
 ここに都があったことと、お膳の役所(食材管理役)というくらいの説明を聞かないとイメージすらわきません。それでも、読めないと思いますが……
 ここ膳所城は湖畔に面しており、実にいい立地だと思っていたのですが、湖からの波の影響で何度も崩落〜修復が繰り返され、そのおかげで財政は苦しかったとのこと。そんなもん、ちゃんと設計せい! とも思うのですが、それは上からの圧力というよりも、そのたたずまいが人々から求められていたから、などと思いたい気分になっていました。
 写真は公園脇の入り江にあるアシの若い葉です。
 琵琶湖での目標として、北部の湖岸に残る葦原地帯とその付近の集落を歩いてみたいと考えており、ここでそんな気持ちに弾みがついた思いです。


 近江大橋(Map)


 近江大橋の西岸に植えられた木々ですが、ほんの一角だけなのが印象的でした。
 今でも有料道路だそうです。建設されたのが1974年だとすればいた仕方ない気もします。現在においては日常に必要な生活道路になっていると思われるのですが、平成24年まで有料だそうです。
 琵琶湖は大きいので、そのうち車を借りて一周しようと思っているのですが、どこの都市部でも渋滞を見かけるのでちょっと躊躇します(橋が有料のせいではないと思われますが、観光にも結構人が出ていると思われます)。
 東京以外の鉄道網が整備されていない地方都市は、もう完全に車社会ですから中核都市では逃げ場のない渋滞が日常となっています。
 東京では空気の汚れを(これ強く感じているので、またの機会に書きます)、旅行先などの地方都市部では渋滞緩和の道路整備を何とかしないと、それだけでエネルギーを余計に消費してしまうと思います。
 資本主義とは、大小様々な中心地への集中を避けられない宿命なのだろうか?
 そこを何とか工夫しないと「浪費型社会」(お金を含めて)は改善されないと思うし、東京と地方の共存は不可能と思えるのですが、いかがでしょうか?


 琵琶湖周遊船桟橋(Map)


 ここは、大津プリンスホテルの前に設置された桟橋で、先日行った竹生島や琵琶湖周遊の観光船が出ています。
 ──38階建てのホテルです。最上階まで行き展望台が無いので降りてきました。そこにはホテルらしく、ラウンジとレストランしか無く、出迎えてくれても「客じゃねえな」といちべつされました。景色がいいからビールくらい飲んでもいいかとも思いましたが、ウエイターの目にサービス精神が感じられないのでやめました……(とても冷たい目だったのよ!)
 とても外人が多く、京都〜琵琶湖ツアーがセットになっているのだろうか、という印象です。
 遠くから見ると、何であんなに高い建物を作っちゃったかと思うのですが、懐に入ってみると自治体の尽力もあって一帯がきちんと整備されていて、いいリゾート地の雰囲気になっていました。

 やはり釣りに訪れる人は多く、腰まで水に入って竿を投げている人もいました。湖の水は冷たいだろうに……
 近くの港に「外来魚リリース禁止」の旗が立ってましたが、ブラックバスなどの問題は結構深刻なのだと思われます。でも、外来魚だけ駆逐するって大変なことだと思うのですが、どうしているのだろうか? 湖という閉鎖空間では、そこに棲む種にとって闖入(ちんにゅう)者の存在は死活問題になると思われます。
 昨日の新聞だったか、ウォーターバイクで湖水をかくはんするとアオコが発生しにくいなどの記事が出ていました。確かにそうなのかも知れませんが、もっと根本的な対策を考えるべきではないでしょうか?