2008年5月27日火曜日

水辺の風景──琵琶湖北部

2008.5.21
【滋賀県】

 白髭神社(Map)


 かなり由緒のある神社のようですが、わたしは「湖水にたたずむ鳥居」に引かれて立ち寄りました。
 琵琶湖西岸でも最も山が湖に迫っている地域にこの神社を建立したことには、何か理由があるのではないかと考えてみました。
 上写真の鳥居の奧にうっすら見える山は、対岸の近江八幡にある長命寺山と思われます。建立当時はその山にもより所があったのかも知れませんが、その方角に当たる「東南」という春秋の彼岸に日が昇る方向への意識の方が強かったのかも知れません。
 また、ここには猿田彦が祀られていることから本宮とされる鈴鹿の椿大神社の方角の延長上としたか、しきたりを受け継いでいるとすれば、琵琶湖を海に見立てて伊勢の二見浦のように日の出を敬ったのかも知れません。
 ──湖に建てられた鳥居として最初に思い浮かぶのは芦ノ湖の箱根神社の鳥居ですが、それはどうも南を向いているようです。
 ここは山が湖まで迫っているので、境内の入り口となる鳥居のすぐ前を国道が横切りそのすぐ脇が湖岸になり、湖面の鳥居へと続きます。
 地形的に仕方ないと思いますが、ここからの祈りは通じるのだろうか?
 きっと神様は天上におられるでしょうから、大丈夫なのかも知れません。


 山が迫っている湖西地区には広く平坦な土地は少ないのですが、扇状地に広がる葦原だったような一帯を埋め立てたと思われる場所には、だだっ広い田んぼが広がっていたりします。
 そこには碁盤の目に道路が敷かれ、田んぼが区分けされています。上写真の上の並ぶ木々はその道に並ぶもので、下は休耕田なのかレンゲソウに埋めつくされています。
 こういう風景は好きなのですが、穀物価格高騰の昨今、このような休耕田を活用しようとは考えられないのだろうか、と思ったりします。
 ここで作ってもコストがかかって赤字になるという市場原理は理解できるのですが、知恵を出し合って食糧自給への道を開いていく方が、将来のためになる(職業選択の可能性を広げるためにも)と思えるのですが、いかがでしょうか?


 海津(かいづ)大崎(Map)

 写真はありませんが、琵琶湖北岸は山がそのまま湖に落ち込んでいる火口湖ような地形になります。それゆえ、高原の湖の雰囲気を感じられます。
 この道を走ってみたかったのですが、付近には集落もなく無理やり作った観光道路といった性格でしょうか。その演出なのか、延々と続く桜並木はシーズンにはたまらない名所なんだろうと思われます。一度来てみたいとは思うのですが、地図に「シーズン中は大渋滞」とありました……


 湖北野鳥センター(Map)


 「ここ、ここ! これが琵琶湖のイメージなんだよなぁ」
 湿地帯と水没した木々という、昔ながらの琵琶湖の自然が残されているこんな風景を探して走ってきました。
 欲をいえば、葦原がドバーッと広がっててもらいたかったのですが、それはわたしのわがままですね……
 今の季節は水位が上がっているのだと思われますが、琵琶湖の中ではここの景色が一番好きだなぁー。
 以前湖岸の多くはこのような湿地帯だったと思われます。
 有効利用できない(税金を取れない)、管理がしにくいなど(水害対策等)、監督官庁の方針や、平坦な土地が狭いなどの理由で湿地や干潟はどんどん埋め立てられてきましたが、もはや人口は増えないし、穀物の増産もしないのであれば、税金かけて埋め立てやしませんよね!?
 琵琶湖は1993年にラムサール条約(湿原の保存に関する国際条約)の登録湿地になり、ここはその模式地のようで琵琶湖水鳥・湿地センターがあります。
 鳥の鳴き声もとてもにぎやかなので、機会があれば是非一度。


 上は彦根のホテルからの絵なのですが、建物もまま古く室内にも「昔からの湖岸らしさ」を保っている(?)ようで、ちょっと驚かされました(水辺を飛び回る虫は多いですから)。

 翌朝、彦根城の庭園を歩きながら、お城には関西では続投に関して大騒ぎになった「ひこにゃん」がいるのですが、別に会わなくてもいいか、と登城を取りやめました。
 ──共通拝観券は買ってましたから怒らないでよね、ひこにゃん。